乳腺炎|船橋市の乳腺外科 | 東船橋駅徒歩3分の船橋乳腺クリニック

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乳腺炎

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乳腺炎について

授乳中の女性

乳腺炎とは乳房の限局的または全体的な発赤、疼痛、熱感、浮腫状腫脹を認め、発熱や悪寒、全身の痛みを伴う疾患であります。
乳腺炎には「急性」と「慢性」があり、急性乳腺炎の多くは出産直前や出産後、主に授乳期に発生する産褥性急性乳腺炎です。
産褥性急性乳腺炎の原因の大半は乳汁のうっ滞と言われており、そこに細菌感染が加わると急性化膿性乳腺炎となります。
妊娠期・授乳期以外で乳腺炎を発症する場合は感染性乳腺炎である事が多く、治療方法は大きく異なります。
慢性乳腺炎は乳腺内の炎症が発症、消退、再燃を繰り返す形をとり、その代表が乳輪下膿瘍です。乳輪下膿瘍は乳輪下に存在する主乳管に角化物質が詰まって乳管を閉塞し拡張、破綻によって膿瘍や瘻孔を作る事で発症するとされています。頻回に繰り返す事が多く、手術等が必要になる事もあります。
また、乳腺炎との鑑別が必要な疾患に炎症性乳がんと呼ばれる悪性疾患もあります。

乳腺炎の病態

乳汁うっ滞性乳腺炎

一般的に乳汁の分泌機構が完成するのは産褥1~2週と言われております。
この時期に乳汁分泌量が急激に増加しますが、乳管等の乳汁の導出路の状態が不十分であると乳汁のうっ滞が発生します。
この授乳に備えた生理的な乳房の充満(生理的緊満)状態の時に母乳の通り道である乳管が十分に開いていない、赤ちゃんが母乳を飲む力が弱い、授乳の間隔があき過ぎた、搾乳が十分でないなどの状況が発生すると乳汁が貯まり、乳房が張ってきて、痛みを感じる様になってきます。この状態を乳房の病的緊満と言います。
ここから乳汁の流れがさらに悪くなると、組織の浮腫が生じ、乳房内の圧が上昇し細胞間の透過性が低下し乳汁成分が乳管外の間質と呼ばれる組織に移行します。その結果として乳腺組織に炎症反応が引き起こされます。
この状態がうっ滞性乳腺炎であり、必ずしも細菌が感染しているわけではありません。

化膿性乳腺炎

うっ滞性乳腺炎が長期に渡っている状況に、乳首などの傷から細菌が感染しておこる事がほとんどですが、授乳と関係なくおこる事もあります。陥没乳頭の方でしばしば見受けられます。

膿瘍

うっ滞性乳腺炎の状態でうっ滞が長く停滞したり、感染による可能性乳腺炎が抗生剤等で制御出来ない状況が続くと膿瘍と呼ばれる膿の貯まりを形成してきます。
膿瘍は被膜が形成され外界と交通が無くなった状態であり、徐々に増大していき、やがて皮膚の弱い部分に貫通し体外に膿を排出するようになります。

乳腺炎の治療

うっ滞性乳腺炎の原因はあくまで乳汁のうっ滞ですので、うっ滞している乳汁を排乳する事が最も症状の改善に寄与します。
赤ちゃんに飲ませる回数を増やしたり、間隔を短くしたり、飲ませる姿勢を工夫したり、赤ちゃんが飲まない場合は搾乳回数を増やしたり、マッサージを行う等の方法は患者さん自身でも可能な治療法です。
ただし、痛みを伴う事も多い乳腺炎で自己マッサージや搾乳は難しい事もあります。その場合は助産師さんによるマッサージや医師による鎮痛剤の投薬等を併用する事で速やかに改善が図れる事も多いです。
特に鎮痛剤は射乳反射を起こしやすくし、母乳中にはほとんど移行しない事が確認されています。
うっ滞がひどくならない早い段階で自己マッサージや搾乳等で改善が図れると痛みや発熱に悩まされずに済みますので、早い段階での対応が重要です。
うっ滞が生じ始めるとその部位の乳腺が硬く変化してきます。痛みが無いか軽度の段階で硬い乳腺を触れるようになったら、マッサージを試みたり、出産した産科の母乳外来や助産院で助産師さんに早めに相談をする事をお勧めします。
膿瘍を形成してしまうとマッサージでは排乳出来ませんので、皮膚を切開し排膿する必要が生じますので、膿瘍を形成する前に治療を開始する事を強くお勧めします。

乳腺炎の予防

赤ちゃんがしっかりと飲んでいるにも関わらず、乳房が張ってきた時は手や機器による搾乳を試みてください。また、温めたり、赤ちゃんの飲む角度や向きを変えてみたりしてください。
疲労は乳腺炎の誘因になると言われており、十分な休息をとる事も大事です。ですので、ご家族の助けも必要となってきます。
また、感染性の乳腺炎もありえますので、手指や機器の衛生管理も重要になってきます。

うっ滞性乳腺炎の治療は早い段階での評価と適切な処置が重要となり、基本的には患者さんと助産師さんとの間で改善してしまう事がほとんどです。
我々、医師が関与するのは、鎮痛剤等の薬物の投与や膿瘍形成をしていないかの超音波検査、膿瘍形成している際の切開排膿等が主であります。
また、稀にですが、妊娠期や授乳期に乳がんが見つかる事もありますので、その鑑別診断をつける事も我々の仕事です。
助産師さんからでも、患者さんからでもご連絡頂ければ、可能な限り早急に対応したいと考えております。
赤ちゃんをあずけられない方は、そのまま赤ちゃんを連れて来て頂いても大丈夫です。ベビーカーを置くスペースも確保しておりますし、トイレにオムツ変え用シートもご用意しております。
乳腺炎を疑ったら、躊躇せずにまずは当院までご連絡ください。