がん検診の目的はがんを発見する事ではなく、そのがんによる死亡率を下げる事にあります。よって、乳がん検診も乳がんによる死亡率の低下を目標としております。
現在、乳がんの死亡率の低減効果をきちんと証明しているものは、
実は40歳以上のマンモグラフィ検診しかありません。
超音波検診に関してはマンモグラフィ検診との併用検診において、早期乳がんの発見率には寄与しますが、死亡率の減少を示せるか否かはまだ結果が出ておりません。
また、超音波単独検診に関してはマンモグラフィ検診より有用である事を証明したデータは現時点では存在しません。
なお、40歳未満の女性に対する乳がん検診の有用性に関しては、超音波、マンモグラフィ、両検査の併用のいずれに
おいてもきちんとしたデータ(科学的根拠<エビデンス>)はありません。
お住いの自治体検診で超音波検診や併用検診が行われている地域もあると思いますが、厚生労働省が推奨している
乳がん検診は40歳以上の問診、視触診、マンモグラフィ検診だけというのが実情です(「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」)。
期間も2年に1回を推奨しており、40歳未満の乳がん罹患者数が増加している事に対する危機感は認識しておりますが、自己検診と異常に気付いたら受診を推奨するにとどめており、具体的な検診方法は示しておりません。
これは、先に示したように、エビデンスがある乳がん検診が40歳以上の女性に対するマンモグラフィ検診のみである
ため、厚生労働省としてはこのような指針しか示せないのだと思われます。
各自治体はこの指針に基づいて検診内容を決めており、そのままマンモグラフィだけとしている自治体もあれば、
超音波検診も導入している自治体もあります。
まずは、ご自身がお住まいの自治体の乳がん検診の詳細をご確認する事をお勧め致します。
乳がん検診